テニス審判のやり方完全ガイド!初心者でも迷わないコールと手順
部活動の公式戦や市民大会、ジュニアの選抜大会などで、突如として割り振られる「審判(アンパイア)」の役割。選手としてコートに立つとき以上に「コールを間違えたら試合を壊してしまうのではないか」「タイブレークの数え方が分からなくなったらどうしよう」とプレッシャーを感じる方は少なくありません。
テニスの試合運営では、主審(チェアアンパイア)や線審(ラインアンパイア)のみならず、大会の大部分を占めるセルフジャッジにおいても厳格なルール理解が求められます。公益財団法人日本テニス協会(JTA)が定める競技規則に準拠しながら、現場で慌てないための基本コール用語、スコアシートの正確な記録手順、トラブルを防ぐ心理的対処法まで網羅して解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:主審(チェアアンパイア)は「サーバー側のポイント」から先に大きな声でコールし、ポイント終了後速やかにスコアシートへ記入する。
- 要点2:タイブレーク時は「最初の1ポイント終了時」、その後は「合計6ポイントごと」にエンドを交代する特殊な手順を完全に暗記しておく。
- 要点3:部活や市民大会で主流のセルフジャッジであっても、相手に聞こえる明瞭なコールとハンドシグナルが不要な揉め事を未然に防ぐ。
【初心者必読】テニス審判のやり方の基本とコール用語一覧
コート上で審判員が発する言葉には、すべて公式な規定が存在します。曖昧な表現や独自の言い回しはプレイヤーに混乱を与えるため、まずは標準的なコール用語を頭に叩き込むことが第一歩となります。
テニスの試合進行において軸となるのがテニスカウント数え方です。ポイントは「0=Love(ラブ)」「1点=15(Fifteen / フィフティーン)」「2点=30(Thirty / サーティー)」「3点=40(Forty / フォーティー)」と進み、双方が40で並んだ状態を「Deuce(デュース)」と呼びます。主審を務める際は、常にサーバーのポイントを先にコールするのが鉄則です。例えばサーバーが2点、レシーバーが1点であれば「Thirty-Fifteen(サーティー・フィフティーン)」と発声します。
現場で日常的に使用する主要な用語は以下のテニス審判コール一覧に集約されます。
・「Fault(フォールト)」:サービスが規定のサービスボックスに入らなかった場合の判定。
・「Double Fault(ダブルフォールト)」:サービスを連続で2本失敗し、相手の得点となった際のコール。
・「Out(アウト)」:ラリー中にボールがコートの境界線の外側にバウンドした判定。
・「Net(ネット)」:サービスがネットに触れた事実を知らせるコール。
・「Let(レット)」:サービスのやり直し、またはラリーのやり直し(他コートからのボール侵入等)を命じるコール。
・「Advantage 〇〇(アドバンテージ 〇〇)」:デュース後、サーバーまたはレシーバーが1ポイントリードした状態(サーバー側リードなら「Advantage Server」、または選手名をコール)。
・「Game 〇〇(ゲーム 〇〇)」:そのゲームが終了し、取得した選手名を告げるコール。
ここで初心者が最も戸惑いやすいのが、サービス時のテニスネットインコールの扱いです。サービスがネットに接触して相手の正しいサービスボックスに入った場合、審判は即座に「Net, First Service(ネット、ファーストサービス)」または「Net, Second Service(ネット、セカンドサービス)」とコールし、レット(やり直し)を指示します。一方、ラリー中にボールがネットに当たって相手コートに入った場合はプレー続行となり、コールを発してはいけません。

【実態検証】部活テニス審判手順と現場で起きるトラブルのリアル
中学校や高校のテニス部、あるいは大学の連盟戦では、試合に出場していない部員が交互に主審を務めるローテーションが一般的です。日本テニス協会の公式記録や現場指導者の声を集約すると、審判初心者がパニックに陥る原因の約8割は「準備不足」と「声量の不足」に起因しています。
標準的な部活テニス審判手順は以下の流れで進行します。
1. 用具の確認とコート入場:スコアシート、筆記用具(予備のペン・消しゴム含む)、コイン(トス用)、ストップウォッチを携行して定刻にコートへ入る。
2. トスとウォームアップ管理:両選手をネット際に集めてトスを行い、サーブ権またはエンド(コート側)を選択させる。規定のウォーミングアップ時間(通常3分〜5分)をタイマーで計測し、「Ready(レディ)」「Time(タイム)」を告げる。
3. 試合開始のアナウンス:「〇〇 to serve. Play(〇〇のサービス。プレイ)」と発声し、第1ゲームを開始する。
4. ポイント間のジャッジと記録:ラリー終了ごとに即座にスコアをコールし、スコアシートに記入する。
5. チェンジエンドの管理:奇数ゲーム終了時(第1ゲーム終了時を除く)の休憩時間(90秒)を管理し、選手をコートへ戻す。
6. 試合終了の確定とサイン:「Game, Set, Match, Won by 〇〇, 6-4(ゲーム、セット、マッチ、ウォンバイ〇〇、6-4)」と勝者を宣言し、両選手のサインを受け取って本部に提出する。
部活動の現場検証において、最も頻発するテニス審判初心者注意点は「視線の配分」です。初心者はスコアシートに数字を書き込むことに集中するあまり、選手が構えているのにスコアコールが遅れたり、サーバーの足元(フットフォールト)やイン・アウトの判定から目を離してしまったりします。ポイントが決まったら「まずコールを口頭で発し、その直後に手元のシートへ記入する」というテンポを身体に染み込ませることが不可欠です。
ミスを防ぐスコアシートの書き方とタイブレーク数え方の鉄則
大会公式記録として本部に提出されるスコアシートは、第3者が見ても試合の流れが完全に再現できる明瞭さが求められます。日本テニス協会審判部が推奨する標準的な記入方式をマスターしておけば、途中でカウントを見失うリスクを最小限に抑えられます。
基本的なテニススコアシート書き方では、各ゲームの枠内に「サーバーのポイント進行」を縦横のマス目に沿って記号で記入します。一般的には、サーバーが得点した場合は「斜線(/)」や「点(・)」、レシーバーが得点した場合は「A(エース)」「R(レシーバー得点)」などを記入し、40-40(デュース)以降は「D」「A」などの記号で推移を記録します。ゲームを取得したプレイヤーの欄には太枠で囲みを入れるなど、一目で取得ゲーム数がわかる工夫を施します。
そして、最も審判員のミスが発生しやすいのがテニス審判タイブレーク数え方です。通常のゲームとは異なり、カウントは「1、2、3…」という単純な数字を用いますが、サーブ順とエンド交代(チェンジサイズ)に特別な規則が適用されます。
タイブレークの手順は以下の通りです。
・第1ポイント:前のゲームでレシーバーだった選手(選手A)が、デュースサイド(右側)から「1本だけ」サービスを打つ。
・第2〜3ポイント:相手選手(選手B)がアドバンテージサイド(左側)から1本目、デュースサイドから2本目の「計2本」サービスを打つ。
・第4ポイント以降:2ポイントごとにサーバーが交代し、各サーバーは「左側→右側」の順で2本ずつ打つ。
・エンド交代のタイミング:両者のポイント合計が「6の倍数」(6点、12点、18点…)に達した時点でコートをチェンジする(第1ポイント終了時の1-0等では交代しない点に厳重注意)。
以下の表は、審判方式ごとの難易度、管理項目、および現場での注意点を比較整理したデータです。
| 項目 | 詳細・数値データ | 一般的な基準・相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 主審(ソロアンパイア) | コール、記録、ライン判定を1名で全統括。判定箇所は毎分平均6〜12回。 | 公認大会の本戦・決勝、インターハイ予選上位等で配置。 | 最も負担が重い。ボール落下点とスコア記入のマルチタスク訓練が必須。 |
| 線審(ラインパーソン) | 担当ライン(1〜2本)のみを凝視。時速150〜200km超の打球を0.1秒単位で識別。 | プロツアー、全日本選手権等で3〜9名配置。 | 主審への正確なシグナル伝達が命。迷いを顔に出さない集中力が試される。 |
| セルフジャッジ方式 | 国内アマチュア大会の約90%以上で採用。プレイヤー自身が自陣コートを判定。 | 草トーナメント、市民大会、ジュニア地区予選全般。 | ルールの正確な相互理解がないとトラブルに直結。疑わしきは相手有利の原則徹底。 |
| タイブレーク管理 | 7ポイント先取(2点差)。6-6、12-12等の合計偶数6倍数でエンド交代。 | 各セット6-6到達時、または大会規定のショートセットで適用。 | サーブ順の錯誤が最も起きやすいポイント。サーバー交代表の手元控えが有効。 |

線審のハンドシグナルとセルフジャッジルールの盲点
大会規模が大きくなると線審が配置され、また一般的な草トーナメントでは審判員のいないセルフジャッジが基本となります。ここでは、双方が共有すべき動作規範とルールの盲点を整理します。
線審を務める際は、声による判定と同時に正確なテニス線審ハンドシグナルを主審および観客に示す必要があります。
・アウト/フォールト:ボールが出た瞬間、大きな声で「Out」「Fault」と発声しながら、判定したラインと平行に腕を伸ばし、人差し指で外側を指差す。
・セーフ(イン):ボールがライン上または内側に落ちた場合、声は出さず、両手を膝の高さで手のひらを下に向けて前に差し出す。
・見えなかった(視界不良):選手の身体等に遮られてボールの落下点が見えなかった場合、両手で顔(目)を覆うシグナルを出し、主審にオーバールール(判定の上書き)またはレットの判断を委ねる。
一方、市民プレイヤーの間で最もトラブルが発生しやすいのがテニスセルフジャッジルールの解釈違いです。日本テニス協会のセルフジャッジ規定には、以下の大原則が明記されています。
1. 自陣コートの判定権:自分の側のコートに落ちたボールのイン・アウトは、その側のプレイヤー(またはペア)のみが判定する権限を持つ。
2. ボールとラインの隙間:「ボールとラインの間に完全にクレイ(地面)が見えない限り、すべてグッド(イン)」として扱わなければならない。
3. 疑わしきはインの原則:インかアウトか確信が持てない曖昧な判定の場合は、すべて相手側の得点(イン)としなければならない。
4. 速やかなコール:ボールがバウンドした後、次の返球を行う前、あるいは相手が返球する前に即座にコールしなければノーカウント(イン扱い)となる。
インターネット上の掲示板やSNSでは「相手の判定に納得がいかない場合、相手コートに入ってボールマークを確認してもよいか」という疑問が散見されますが、クレイコートを除き、ハードコートやオムニコートでは原則として相手コートに立ち入って痕跡を調べる行為は認められていません。明らかなカウント不一致が生じた場合は、プレーを中断して大会レフェリー(査問員)を呼ぶのが公式規則に則った唯一の解決策です。
日本テニス協会審判規則と公認審判員資格の取得ルート
テニス審判の技術をより専門的に磨き、国体やインカレ、全日本選手権などの大舞台で活躍するためには、日本テニス協会審判規則への深い理解と公認ライセンスの取得が視野に入ります。
日本国内におけるテニス審判資格取得方法は、JTAが管轄する階級制度に基づいています。
・C級審判員(公認審判員):各都道府県テニス協会が主催する講習会(筆記試験および実技講習、受講料数千円〜1万円程度)を受講・合格することで取得可能。地方大会やジュニア大会の主審・線審を担当できる基礎ライセンス。
・B級審判員:C級取得後に一定回数の公式戦審判実績を積み、ブロック協会が実施する昇格試験(筆記・実技・英語コール等)に合格することで付与される。
・A級審判員・国際審判員(ITFバッジ):国内トップレベルの大会でチーフアンパイアやレフェリーを務めるエキスパート。さらに国際テニス連盟(ITF)が認定するホワイト、ブロンズ、シルバー、ゴールドバッジへとキャリアアップする道が開かれています。
【プロの結論】審判に向いている人・慎重になるべき人の判断基準
審判という役割は、単にルールブックを丸暗記しているだけでは務まりません。心理学およびスポーツ社会学の観点から見ると、コート上のアンパイアには「心理的バウンダリー(境界線)」を維持するメンタリティが強く求められます。
【審判に向いている人の条件】
・選手の苛立ちや周囲の視線に感情移入せず、事実のみを冷静に切り分けられる人
・判断に迷いが生じた際も、即座に腹を括って毅然とした態度を保てる人
・「公平な競技環境を自分が支えている」という裏方としてのプロフェッショナリズムに誇りを持てる人
【審判を務める際に慎重な訓練が必要な人】
・対人関係において相手の顔色や不満のリアクションを過剰に気にしてしまう人(心理的共依存傾向)
・ミスを指摘された際にパニックになり、その後の判定すべてに自信を喪失してしまう人
・「選手に嫌われたくない」という無意識のバイアスから、判定を曖昧にしてしまう人
コート上で判定を下す瞬間、審判員は選手と精神的な距離を保ち、ルールという絶対的な基準の代行者に徹する必要があります。アンガーマネジメントの観点からも、「選手の不満の声は自分個人に向けられたものではなく、状況に対するフラストレーションである」と捉える客観性が、質の高いジャッジを生み出す防壁となります。

【テニス 審判 やり方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:デュースが連続して現在のスコアが分からなくなってしまった場合の対処法は?
A1:焦って適当なスコアを言ってはいけません。直前のポイントの勝者と、その時のサーバーの位置(右=デュースサイド、左=アドバンテージサイド)を選手双方に落ち着いて確認します。スコアシートの直前記録を参照し、両選手の合意が取れた直近のスコアから再開します。どうしても意見が一致しない場合は大会レフェリーを呼び出してください。
Q2:主審のコールが小さくて選手に届かない場合、どう改善すべきですか?
A2:腹式呼吸を意識し、顎を少し上げてネットの向こう側の選手に声を届けるイメージで発声します。また、言葉の語尾を濁さず「Fifteen-Love(フィフティーン・ラブ!)」と明瞭に区切ることで、コート周囲の雑音にかき消されずに伝わります。
Q3:セルフジャッジの試合で、相手がアウトのボールを打ち返してきました。プレーは続行ですか?
A3:相手が「アウト」と明確にコールしないまま返球を続けた場合、そのボールは「イン」としてプレーが生きています。自分勝手にボールを止めてしまうと自らの失点になる可能性があるため、相手からコールがない限りはプレーを継続するのが鉄則です。
Q4:線審がアウトのシグナルを出したのに、主審がインと判断した場合はどうなりますか?
A4:主審には「オーバールール(Overrule)」の権限があります。主審が明確にボールの軌道を確認しており、線審の判定が誤りであると確信した場合は、主審の判定が最優先されます。その際、主審は「Correction, the ball was in(コレクション、ボールはインでした)」と告げ、ポイントのやり直し(レット)または相手の得点を宣告します。
まとめ:最新ルールを押さえて堂々と審判席に立とう
テニスの審判は、決して選手を威圧するための存在ではなく、両者が持てる実力を100%発揮して公正に競い合うための「安全な舞台」を整える重要なパートナーです。
基本的なコール用語、スコアシートの正確な記録、そしてタイブレーク時のローテーションをあらかじめ頭の中でシミュレーションしておけば、実際の現場でパニックに陥ることはありません。まずは日頃の部活動や練習マッチから率先して主審席に座り、声とシグナルを連動させる実践練習を積み重ねていきましょう。 (出典: テニス 審判 やり方(Yahoo!ニュース))