海外で胃が痛い時の英語表現|病院・薬局で通じる症状別フレーズ
海外旅行中や海外出張先で、急激な胃の痛みに襲われた経験を持つ人は少なくありません。日本の医療機関であれば「胃がキリキリ痛む」「胃もたれがしてムカムカする」「差し込むような腹痛」といったオノマトペを交えて医師に伝えることができますが、英語圏では「痛みの性質」や「痛む部位」を解剖学的かつ論理的に説明しなければ、適切なトリアージや処方を受けられないリスクが生じます。
学校英語で習う「I have a stomachache.」という表現は、英語圏のネイティブスピーカーにとっては「お腹がなんとなく痛い」「お腹の調子が悪い」程度の極めて広範で曖昧な表現として捉えられがちです。2026年現在の国際的な医療ガイダンスや海外アシスタンス会社の現場レポートでも、痛みのニュアンスが正確に伝わらなかったために不要な検査を受けたり、逆に対処が遅れて症状を悪化させたりするケースが報告されています。海外の病院や薬局で自分の体調を正しく守るために、知っておくべき症状別の実践英語フレーズと医療コミュニケーションの急所を整理しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「stomachache」は腹部全体の漠然とした不快感を指すため、激痛や胃特有のトラブルを伝えるには不十分である。
- 要点2:鋭い痛み(キリキリ)、鈍痛(シクシク)、胃痙攣、胃酸過多など、痛みの「種類」と「強さのスケール(1〜10)」を具体的に言語化することが必須。
- 要点3:現地のドラッグストアでは症状(胸焼け、消化不良、痙攣)に合致したOTC薬(制酸剤、H2ブロッカーなど)の英語名を指定して購入する必要がある。
【決定的な違い】なぜ「stomachache」だけでは海外で通じないのか?
日本人が「胃が痛い」と言いたいとき、真っ先に思い浮かべるのが「stomachache(ストマックエイク)」です。しかし、英語圏の日常会話において「stomach」は胃袋そのものだけでなく、お腹全体(bellyやabdomen)を広く指す言葉として日常的に使われています。そのため、医師や薬剤師に「I have a stomachache.」とだけ告げると、便秘なのか、下痢なのか、生理痛なのか、あるいは胃潰瘍のような上腹部の痛みなのかが判別できません。
さらに深刻なのは痛みの「深刻度」が伝わらない点です。海外の救急外来(ER)やウォークインクリニックでは、限られた医療リソースを緊急度の高い患者へ優先配分するため、患者の申告に基づくトリアージ(重症度選別)が厳格に行われます。単に「お腹が痛い」とだけ伝えると優先順位を下げられ、待合室で何時間も放置される事態に陥りかねません。
英語圏で適切な診察を受けるためには、解剖学的な位置(上腹部=upper abdomenなど)と、痛みの性質(鋭い、鈍い、焼けるような、痙攣するような)をセットで伝えるアプローチが不可欠です。

【症状別マトリクス】キリキリ・シクシク・差し込み痛を伝える英語表現
日本語特有の擬音語・擬態語で表現される胃の痛みは、英語では具体的な形容詞や動詞を用いて表現します。胃がキリキリする英語表現や、重苦しいシクシク痛、胃酸の逆流など、症状に応じた正確な言い回しを押さえておきましょう。
| 症状・日本語の感覚 | 英語表現・キーフレーズ | 医学的な状態の目安 | 編集部の解説・使い分け |
|---|---|---|---|
| 胃がキリキリ痛む (鋭い痛み・刺すような痛み) | sharp pain / stabbing pain "I have a sharp, stabbing pain in my upper stomach." | 胃炎、胃潰瘍、急性胆嚢炎の疑い | 針やナイフで刺されるような局所的な痛みには「sharp」「stabbing」が最も適格です。 |
| 胃がシクシク痛む (重く持続する鈍痛) | dull ache / constant gnawing pain "I feel a dull, constant ache in my stomach." | 慢性胃炎、ストレス性胃痛 | 激痛ではないものの、絶え間なく続く鈍い痛みには「dull ache」を用います。「gnawing(キリキリ齧られるような)」も有効。 |
| 胃が絞られるように痛い (胃痙攣 英語) | stomach cramps / stomach spasms "I'm experiencing severe stomach cramps." | 筋収縮による疝痛、食中毒 | 波があってギュッと締め付けられる痛みは「cramps」と表現します。 |
| 胃が焼けるように熱い (胃酸過多 英語・胸焼け) | burning pain / heartburn / acid reflux "I have a burning sensation and acid reflux." | 逆流性食道炎、胃酸分泌過多 | 胃酸が上がってくる胸焼けは「heartburn」、胃液の逆流そのものは「acid reflux」と呼びます。 |
| 胃もたれ・お腹の張り (胃もたれ 英語) | heavy stomach / indigestion / bloated "My stomach feels very heavy and bloated." | 消化不良、機能性ディスペプシア | 油っこい食事後のもたれは「indigestion(消化不良)」や「bloated(ガス等で張っている)」が自然です。 |
| 吐き気・胃のむかつき (吐き気 英語表現) | nausea / feel nauseous / feel sick "I feel very nauseous and feel like throwing up." | 感染性胃腸炎、中枢性嘔気 | 「吐き気がする」は「I feel nauseous.」、「吐きそう」は「I feel like throwing up / vomiting.」と伝えます。 |
【病院・薬局で即戦力】海外旅行中の腹痛を乗り切る実践フレーズ集
海外旅行中や滞在先で医療機関を受診する際、医師から必ず質問されるのが「痛む場所(Where)」「痛みの強さ(How severe)」「痛みが始まった時期(When)」「引き金(Triggers)」の4要素です。胃痛 英語 病院 伝え方と腹痛 英語 症状説明のテンプレートを頭に入れておくと、診察がスムーズに進みます。
病院の問診で使える実践例文(胃が痛い 英語 例文)
- 痛む位置を指定する:
"The pain is located in my upper abdomen, right below the ribs."
(痛みはみぞおちあたり、肋骨のすぐ下にあります。) - 痛みの強さを1〜10のスケールで伝える:
"On a scale of 1 to 10, the pain is about an 8. It's really intense."
(1から10のスケールで言うと、痛みは8くらいでかなり激しいです。) - 痛みが起こるタイミングを説明する:
"The pain gets worse on an empty stomach, but it feels slightly better after I eat."
(空腹時に痛みが悪化し、何か食べると少し和らぎます。) - 痛みの持続期間を伝える:
"This sharp pain started suddenly about three hours ago and hasn't stopped."
(この鋭い痛みは約3時間前に突然始まり、ずっと続いています。)
海外のドラッグストアでの胃薬 英語 薬局での買い方
軽度の胃もたれや胸焼けであれば、現地のファーマシー(Pharmacy / Chemist)で市販薬(OTC薬)を購入して対処できます。ただし、日本の総合胃腸薬のように「1包に制酸剤も消化剤も健胃生薬も全部入っている」製品は欧米では少なく、主成分と作用ごとに棚が厳密に分かれています。
- 制酸剤(胃酸を中和し、即効性のある胸焼け止め):
"Could you recommend an antacid for severe heartburn?"
(ひどい胸焼けに効く制酸剤をおすすめしてもらえますか?)※TumsやRolaidsなどが有名。 - 胃酸分泌抑制薬(H2ブロッカーやPPI):
"I need an acid reducer like Famotidine or Omeprazole."
(ファモチジンやオメプラゾールのような胃酸分泌抑制薬が必要です。) - 消化不良・胃もたれの薬:
"Do you have something for indigestion and a bloated stomach?"
(胃もたれとお腹の張りに効く薬はありますか?) - 下痢を伴う急な腹痛の薬:
"I have stomach cramps with diarrhea. What should I take?"
(胃の痙攣痛と下痢があります。何を飲めばいいですか?)※Pepto-BismolやImodiumなどが該当。

【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル
海外アシスタンスデスクの対応記録や、海外渡航者のコミュニティ(SNSやQ&Aサイト)に寄せられた実際のトラブル事例を検証すると、言語の壁に起因する医療トラブルが後を絶ちません。
代表的な事例として挙げられるのが、「アメリカの薬局で『I have a stomachache.』と言って相談したところ、下痢止め(Anti-diarrheal)を手渡され、胃潰瘍の痛みなのに便秘を引き起こして症状が悪化した」というケースです。現地の薬剤師は、抽象的な表現に対して最も件数の多い水あたりや下痢を想定してしまったことが原因でした。
また、欧米の医療機関における「痛みのスケール申告」でのすれ違いも頻発しています。日本人は謙遜や我慢強さから、冷や汗が出るほどの激痛であっても「5〜6くらいです」と控えめに答えてしまいがちです。しかし現地医療現場では、申告された数値を額面通りに受け取るため、「5なら緊急性なし」と判断されて何時間もトリアージ後回しにされたという手記が多数報告されています。「耐え難い激痛なら躊躇なく8〜9と申告する」ことが、海外医療における鉄則です。
【ネイティブが使うリアル表現】カジュアルな会話とお腹が痛い英語スラング
医師や薬剤師に対する正確な医療英語とは対照的に、同僚や友人、ホストファミリーに対して「ちょっと今、胃(お腹)が痛くて辛いんだ」と伝える際には、日常的な胃が痛い 英語 ネイティブ表現や慣用句、スラングが頻繁に使われます。
日常会話でよく使われるナチュラルな口語表現
- My stomach is killing me.
(胃・お腹が死ぬほど痛い/激痛でたまらない)
※ネイティブが最も頻繁に使う誇張表現。深刻な病気というより「ものすごく痛い」状態を感情を込めて伝えるフレーズです。 - My stomach is acting up.
(胃の調子がまた悪くなってきた/胃がぐずっている)
※持病の胃痛や、脂っこいものを食べた後の不調を表現するのに適しています。 - I have an upset stomach.
(胃の調子が悪い/お腹を壊している)
※吐き気、もたれ、軽い下痢など、お腹の不調全般を上品に伝える定番表現です。
カジュアルなシーン・お腹が痛い 英語 スラング
- I have a bellyache. / My tummy hurts.
(お腹が痛い)※tummyは幼児語ですが、大人が親しい間柄で「お腹痛い〜」とおどけて言う際にも使われます。 - Delhi belly / Bali belly
(旅行者下痢症・水あたり)※インドやバリ島など、特定の旅行先でかかる急な腹痛・下痢を指す有名なスラングです。 - I've got the runs.
(下痢をしている)※下痢(diarrhea)の非常にカジュアルな俗語表現です。

一般に知られていない盲点とネットの誤解
ネット上の簡易的な英会話まとめサイトでは、「胃=stomach」「痛み=pain」「だから胃痛はすべてstomach painでOK」と単純化されているケースが散見されます。しかし、ここには海外医療制度と薬事法における大きな盲点が潜んでいます。
第1の盲点は、「Painkiller(鎮痛薬)の安易な服用」です。アメリカのドラッグストアで「胃が痛いから強い痛み止めが欲しい」と伝えてイブプロフェン(Ibuprofen)やアスピリン(Aspirin)などのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を購入・服用してしまう人がいます。NSAIDsは胃粘膜を直接攻撃するため、胃炎や胃潰瘍が原因の胃痛に対して服用すると、最悪の場合、胃出血や胃穿孔を引き起こす危険性があります。胃の痛みには「Painkiller」ではなく「Antacid」や「Acid reducer」を求めるのが原則です。
第2の盲点は、海外旅行保険の付帯サポートの活用法です。「自力で英語を話さなければならない」と思い込み、痛みに耐えながら辞書を引く旅行者が多く見られますが、大手海外旅行保険の多くは24時間対応の日本語医療通訳ホットラインを提供しています。激痛で正確な表現が出てこない場合は、無理にカタコト英語で説明しようとせず、「I need a Japanese interpreter.(日本語通訳が必要です)」と伝えるか、保険会社の緊急デスクへ電話を繋ぐのが最も安全な判断です。
【プロの結論】海外で胃痛に見舞われた際の行動判断基準
海外滞在中の胃痛トラブルにおいて、自己対処で済ませてよいケースと、直ちに医療機関へ駆け込むべきケースの境界線は明確に分かれます。
- ドラッグストアのOTC薬で様子を見てよい条件:
痛みのスケールが1〜4程度であり、明らかな食べ過ぎ・飲み過ぎ・軽い胸焼けである場合。下痢や発熱がなく、水分補給が問題なく行えている状態。 - 直ちにER(救急外来)受診または救急要請すべきレッドフラッグ(危険兆候):
痛みのスケールが7以上で突然発症した激痛、吐血(コーヒーかす状の嘔吐物を含む)や黒色便(タール便)がある、高熱を伴う、腹部が板のように硬くなっている(腹膜炎の疑い)、痛みが背中や肩に放散している場合。
【胃が痛い英語表現】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「胃もたれ」と「胃痛」が同時に起きている時はどう説明すればいいですか?
A1:痛みの性質と重苦しさを複合して伝えます。"I have both a dull stomach pain and heavy indigestion."(鈍い胃の痛みとひどい胃もたれの両方があります)や、"My stomach feels bloated, heavy, and it aches constantly."(お腹が張って重く、絶え間なく痛みます)と表現すると医師に正確に伝わります。
Q2:救急車を呼ぶレベルの激しい胃痙攣が起きた時の英語フレーズは?
A2:緊急性を明確にするため、短いセンテンスで深刻度を訴えます。"Please call an ambulance. I have severe, unbearable stomach spasms and I can't stand up."(救急車を呼んでください。耐えられないほど激しい胃痙攣があり、立ち上がれません。)と伝えてください。
Q3:アメリカの薬局で「日本のガスター10のような薬」を買いたい時は何と言えばいいですか?
A3:ガスター10の主成分は「ファモチジン(Famotidine)」です。商品名ではなく成分名で探すのが海外では確実です。"I'm looking for an H2 blocker containing Famotidine, similar to Pepcid."(ペプシドのような、ファモチジン配合のH2ブロッカーを探しています)と薬剤師に伝えてください。
Q4:胃痛に加えて「下痢と微熱」がある場合の海外旅行 腹痛 英語フレーズは?
A4:合併症状を並列して簡潔に伝えます。"I have stomach cramps accompanied by diarrhea and a mild fever. I suspect food poisoning."(胃の痙攣痛に加えて下痢と微熱があります。食中毒かもしれません。)と伝えると、感染性胃腸炎を疑った迅速な処置が行われます。
まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準
異国の地で体調を崩した際、正確な意思疎通ができるかどうかは、治療のスピードや回復の経過を大きく左右します。「お腹が痛い=stomachache」という画一的な知識から脱却し、痛みの局在(upper abdomen)、痛みの質(sharp, dull, cramps, burning)、痛みの強さ(スケール1〜10)という3つの軸で状態を整理して伝える習慣を身につけておきましょう。
また、現地でのセルフメディケーションを行う際は、安易な鎮痛薬(NSAIDs)の摂取を避け、症状に合致した制酸剤や整腸剤を選択するリテラシーが求められます。万が一の激痛や異常兆候の際には我慢を重ねず、現地の医療機関や旅行保険の通訳サービスを活用して、安全を最優先に行動してください。 (出典: 胃 が 痛い 英語(Yahoo!ニュース))